頭蓋骨に一円玉かそれ以下の穴を開け、短時間で腫瘍を取り除く手術を行っております。短時間、低浸襲の手術により術後1週間昏睡状態に陥る事がなく、手術当日から歩き回る程に改善する割合が多いです。
手術が困難な部位であれば緩和・放射線・化学療法を行ないます。
犬や猫の脳腫瘍では髄膜腫と呼ばれる腫瘍が半数近くを占めています。この腫瘍は脳の表面に発生する特徴があるため手術により摘出できる事があります。ただ正常な脳と腫瘍の境界を正確に区別するため、手術中にCTを撮影しながらの切除が必要になる難しい手術となります。脳腫瘍が摘出困難なケースなどでは投薬治療、化学療法、放射線療法などの治療がありますが、それらは緩和的な治療法であり完治は難しいと考えられています。
けいれん発作、性格の変化、元気・食欲の減退等がみられます。
脳腫瘍には2種類あり、原発性脳腫瘍(脳から発生する腫瘍)もしくは転移性脳腫瘍(他の癌から転移した)に大別されます。また、発生個所として最も一般的なのが脳と脊髄を取り囲む髄膜です。ここに発生する腫瘍を髄膜腫と呼びます。
動物医療においても近年の画像機器の進歩は著しく、特にMRI/CT検査は頭蓋内疾患の診断には非常に有効です。当施設でもこの検査により脳腫瘍が診断される事が多く、その後の動物の治療に大きく貢献しています。